器用貧乏
こんにちは 突然ですがジャージっていい着物ですよね。
プーマ、アディダス、ナイキと多くの会社から出ている人気商品です。
上下ともに統一感があり、色も派手なものは見かけません。
まさに被覆界のコカ・コーラと言っても過言ではありません。
まずジャージの利点として使う場所を選ばないってのが大きいですよね。
先に述べたようにジャージは派手な着物ではありません。
見た目が特徴的ではないことは、どんな場面で来ていてもさほど浮かないことの裏返し。
まずランニングをする人の多くが着ています。
運動をするので動きやすく通気性がよいから使っているのでしょう。体育の授業がジャージの学校は結構あります。
そして近場に外出するときにも頻繁に使われています。
近所のコンビニにふらっと行くようなときのことです。
そう大した用事ではないのでお洒落をする必要はない、しかしラフな服を探すのが面倒。そんなときはジャージにおまかせ。楽に着れるし、周りから「何?あの人」とも思われない安定したセットです。
また家の大掃除や、庭の草抜き、倉庫の整理など、作業する場面にはもってこい。
丈夫かつ長持ちなので、下に一枚着こむことによってそこそこの防御力を得ることができます。
そして何といっても部屋着やパジャマとして使うのが一番です。
着脱衣も簡単でしかも洗濯しやすい。家の中ではお洒落をする必要が無いので、そうなると必然的にジャージの使用場面が多くなってきます。
一着あれば何でもできてしまうジャージ。
しかし使い過ぎてくたびれてしまったり予備のモノがもう一着欲しくなったりと複数着買っていくと、ある考えが浮かびます。
「ジャージの色をコンプリートしてみようかな…」
ジャージは色や会社で微妙に違ってきます。
例えば最初に買ったジャージがプーマの赤色だったら、次にプーマの別の色を欲しくなるかもしれませんし、デザインの異なるナイキやアディダスなど別の会社のものが欲しくなるかもしれません。
色のバリエーションのあるクルトガを全種類集めたくなったり、いろはすの味をコンプリートしたくなるのと同じです。
売る側からしたらそんな意図はあまり込めていないのに、消費者の私たちが勝手に転んでいる様なものです。
それにジャージのシリーズを集めようとしたら金銭的な問題も生じてきます。
ジャージはクルトガやいろはすと違って安くありません。大体6,000~10,000円します。
それを夢中になって集めていたらあっという間に破産です。
いやはや収集意欲はおそろしいですね。
シンプルなデザインに、豊富なカラーバリエーション。
高校に入りたての僕はジャージに魅了され、あるとんでもない行いをしました。
なんと私服の数を減らして逆にジャージの数を増やしたのです。
なぜそんな行動に至ったかと言えば上記に書いた通りです。
便利で、場所を選ばない、カラーもシリーズも豊富。
完全にジャージの良いところばかりをすくいとり、デメリットを考慮していませんでした。
最初の方は便利でした。どんな場面であってもジャージを着ていれば大体上手くいったから。自分は毎日ジャージを着て過ごしていました。
ある時です、友達から遊びに誘われました。
遊ぶ当日ウキウキしながら衣装ケースを開けたら困りました、なんとジャージしかないのです。
私服を探してみましたが中学校時代の服しかなく、それを着ると当然ですが中学生っぽくなりました。
結局自分はジャージを着て遊びに行きました。
友達はお洒落をしてきていたので、輪の中で自分はひとり浮きに浮きまくっていました。
その友達たちは優しかったので自分がジャージを着ている点については何も指摘してきませんでした。
しかし自分は「なんだ意外といけるじゃないか」と、ジャージを着ていることを恥じて反省するばかりか、逆に気を良くしてジャージであることを誇りに思い、意味不明な自信を持ちました。
そしてジャージで遊びに行くこと数回、ついに友達から言われました
「お前ってさ、漫画のキャラ見たいにいっつも同じ服だよな」
その時の衝撃は今でも忘れられません。全身から冷汗がでて周りの人の目が異様に気になり、その場にいるのが急に嫌になる。
高校生活で屈指の恥ずかしい話です。
自分がなぜここまでジャージを崇め立てていたか、それは自分の生活環境にありました。
自分の小学校は私服登校ではなく体操服で登校するきまりでした。中学校も同様で、しかも冬場はジャージでした。
服装が周りと大きくズレる経験が無かったので、服装がおかしくなるというリスクをしらなかったのです。
自分と同じ境遇の人はこれから注意がいるかもしれませんよ?
ジャージは素晴らしい着物です。ただ単に自分は使い方を間違っていただけですが、ジャージはお洒落の道具には成り得ないということは事実です。
そこのところ理解したうえでジャージを使ってください。
以上、ジャージにまつわる僕の苦いお話でした。
読んでいただきありがとうございました。